大人になったら味覚が変わり、嫌いな食べものがどんどん減っていき、なんでもどんどん食べちゃいたい欲求が高まってしょうがないニュースカイ広報 村上です。とうとうパクチーも克服し、むしろ「美味しい!」と思うようになりました。
さて、皆さまの中には“和菓子”があまり得意ではない…そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
あなたの中の“和菓子はあんまり好きじゃない”というその常識を、変える「かもしれない」和菓子屋さん、実はニュースカイの近くにあるんです。
ここは、加藤清正が作った城下町
加藤清正は熊本城を築くと同時に、お城を中心にした城下町建設を積極的に行ないました。
現在ニュースカイのあるこの地域「古町地区」は、当時沼沢が多く、蛇行する白川・坪井川の改修が行なわれ、一辺約120mの碁盤の目状の「一町一寺」の画地割りに整備されました。
ちなみに「古町地区」のお隣に「新町地区」があるのですが、加藤清正が新しく作った町人町が「新町」、その前から存在していた町が「古町」なのだそう。
「古町」「新町」どちらにも、細工町、桶屋町、魚屋町などの同じ町名があるというのは、なかなか興味深いところ。
加藤清正の時代から、商人・職人の町人町として栄えたこの地域は、明治・大正・昭和戦前まで、熊本の経済の中心的役割を果たしてきました。
ニュースカイのあるこの地域「古町地区」また「新町地区」は、その当時から続く問屋街も現存するほか、西南戦争による焼失の後に復興した町屋も残っており、散策するといたるところで歴史の浪漫を感じる城下町の中でも独自の雰囲気を醸し出す町です。
しかしながら平成28年熊本地震で、古くから大事に維持されていた町屋も甚大な被害を受け、倒壊したものや、倒壊寸前になってしまったものも多くあり、この町並みが好きな方が有志で立ち上げた復興プロジェクトも展開されています。
愛される、町並み。
明治からの老舗「菓舗 松陽軒(しょうようけん)」
さて、そんな愛される町並みの「古町地区」の中に、その和菓子屋「菓舗 松陽軒」さんはあります。
松陽軒は創業明治43年という、息の長い和菓子屋さん。
ニュースカイから、本当に近くなんです。
ニュースカイから菓舗 松陽軒までの行き方
ニュースカイを出て、熊本市電の線路に沿って「呉服町」電停方面へ歩みを進めます。
ニュースカイ側(呉服町向かって右側)の歩道を歩くとよいです。
このまま線路に沿って、大きく右折します。
そうすると、もう松陽軒の店頭の看板が目に入ります。
右折した後、呉服町電停が目印です。
で、到着!
たまに、呉服町電停で降りられた方が「ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイはどこですか?」とお尋ねになるくらいのご近所っぷりです。
レトロな町並みを楽しみながらゆくお散歩コース、とも言えましょう。(お散歩コースというには近すぎるかな?)
お店に入ってみましょう
こんなところに地震の爪痕。
シャッターが右半分下りていますが、ちゃんと営業されておりますので、どうぞ遠慮なくお店にお入りください。
お店に入ると正面に立派な看板があります。
老舗!って感じがビンビン伝わる重厚感。
そして気になる、お菓子の品ぞろえ
ぐるりと見回すと、たくさんのお菓子に囲まれていることに気づきます。
フルーツケーキの向こうにはポンせんべい♪
どら焼きだけでもこの日は4種類。ドラえもんだったら狂喜乱舞する世界ではないでしょうか。
個人的には「しおどらやき」が大好き。こちらは松陽軒が創業百年を迎えて新しく発売したどら焼きなのだそうです。
また、この日は季節を感じさせる春のどら焼きもありました。
そしてどら焼きの脇に…
「手荷物置き」。こういう気配り、心くすぐられますよね。
そしてショーケース!
生菓子が並んでいます。
練り切りって、いかにも「和菓子」って感じしますよね。
彩りが美しい…。
松陽軒の名物「肥後しおがま」
ここ松陽軒が、お店を代表するお菓子としているのが「肥後しおがま」。
“ほのかな紫蘇の香りがする、柔らかな落雁”なのです。
落雁(らくがん)。
そう、落雁といえば…敬遠されがちな和菓子の代表…!
食べものの好き嫌いが思い浮かばない村上、無理やり嫌いな食べものを思い出そうとして思い出したのがこの「落雁」だったのですが…
松陽軒のしおがまを食べて、認識が、変わりました。
落雁って、本当はこんなにおいしかったんだ…!
と。
※村上が食したのは限定販売の抹茶しおがまでしたが
松陽軒の落雁が落雁なのなら、私が過去食して嫌な思いをした「無駄に甘くてぽそぽそして体中の水分が奪われているように錯覚するほど喉が渇くような粉っぽいあのかたまり」はなんだったのだ!!
落雁がおいしい/おいしくない秘密は「落雁粉」にある!?
お店の若旦那、大竹保晴さんに話を聞いてみると…
「落雁に対し“おいしくない”というイメージを持っている人が食べたものは、コストを抑えて量産するために、おそらく粗悪な落雁粉を使って作られたものじゃないか」とのこと。
落雁粉、というものが存在するんですねー。
落雁粉を簡単に説明すると、もち米を乾燥させ、焙煎し、粉にしたもののようです。
この落雁粉の原材料であるもち米が、そもそも良質なもち米なのかどうかが最初のポイント。
残念ながら低コストで大量生産されるものは、落雁粉の品質も低く…
しかし、松陽軒の「肥後しおがま」はこの落雁粉にこだわっています!
大竹さんがこっそり教えてくれたのですが、松陽軒ではなんと焙煎具合が異なる良質な2種類の落雁粉をブレンドしているのだそう!
素材にこだわるから、ふわっといい匂いがし、上品な口当たりの落雁に仕上がるんですね。
「落雁、きらいなんだよねー」と、落雁にいい思い出のない方にはぜひ召し上がっていただきたい!
落雁って、本当はこんなにおいしかったんだ…!
と、認識を改めること請け合いです。あなたの中の常識が覆るかもしれません。ぜひ、おためしあれ。
和菓子屋さんのプリンがなぜこんなにおいしいのか
と、いうわけで、老舗としての代表のお菓子は「肥後しおがま」ではございますが、せっかく松陽軒へ行くのであればこちらもご賞味いただきたい…!と思うのが、プリン。
和菓子屋さんなのに、プリン!?
これがまた、美味しいんですよ~!
若旦那の大竹さんが語るこだわりは、これもやはり原材料となる「牛乳」でした。
松陽軒の百年ぷりん
その名の通り、明治43年創業の老舗「菓舗 松陽軒」さんが創業百周年を迎えた時に発売されたプリンです。
阿蘇小国ジャージー牛乳の濃厚さと、バニラビーンズの甘い香りがお口の中に広がり…幸せなひとときが味わえます。
夢みるくぷりん
酪農家が作る「本物の牛乳」――牛の育て方、低温長時間殺菌による加工、充填・出荷まで人の手で丁寧に行い品質の高い牛乳を作ることにこだわる吉井牧場さんの牛乳「夢みるく」を使ったプリン。
私も知らなかったのですが、搾ったばかりの牛乳を静置しておくと、脂肪分が分離し、上部にクリーム層ができるのだそうです。
日本のほとんどの牛乳が、脂肪分が分離しないようホモジナイズ処理から高温殺菌処理をしているのに対し、吉井牧場の「夢みるく」はできる限り自然のままの牛乳を目指し、脂肪級を壊さないノンホモジナイズ処理から63℃で30分の低温長時間殺菌処理をしています。
「できる限り自然のままの牛乳」を使っているから、夢みるくぷりんもこのように二層になっているんですね。
お味はもちろん、絶品☆(上品でまろやかな甘さがたまりません)
「小国ジャージー牛乳」も「夢みるく」もどちらも【熊本の牛乳】ってところが、また、ポイント高いですよね(私の中で)。
和菓子屋さんが作るプリン、とってもおいしいです。侮れませんよ!
2/15(水)RKK「週刊山崎くん」に登場!?
たまたまのタイミングですが、今夜(2/15)19時RKK熊本放送の人気番組「週刊山崎くん」に、松陽軒さんが登場するらしいという情報がFacebookで流れてきました。
落雁の「肥後しおがま」に、2種類のプリンを紹介しましたが、何やら今夜この番組ではお団子が紹介される!?
また、調査のために足を運ばなくちゃ。
皆さまも是非、ニュースカイへお越しの際には、ここ「菓舗 松陽軒」さんにも足を運んでみてくださいね。
◆DATA 菓舗 松陽軒 住所 熊本市中央区魚屋町2丁目13番地 TEL 096-353-2022 営業時間 午前8:30-午後6:30