文化のちがいは、とても楽しい。
こんにちは、好き嫌いは抜きにして、食文化を否定しないように努めているニュースカイ広報 村上です。
勧められたら一度はなんでも食べます!
さて、ニュースカイで仕事をしていると、ホテルの中にいろんなプロフェッショナルがいて毎日がとても楽しいです。
たとえば「料理」。
ひとくちに「料理」といっても、大人数でご利用いただくパブリックな色が強いご宴会向け料理と、個人でご利用いただくプライベート感が強いレストランの料理でも、その仕事ぶりは大きく異なるのだということを、ニュースカイで仕事をするようになって料理人の方々から教えてもらいました。
そして、今回は、中国料理のプロフェッショナルに注目!
中国料理専門誌『圓卓』、2017年の幕開けとなる1月・2月号に熊本の中国料理人たちがずらりと紹介されるらしいと聞きつけ、その撮影会に行ってきました。
中国料理 調理長 宮﨑親志(ちかし)
中国料理の宮﨑調理長は、あの川越達也シェフに「チャーミング」と言わせしめるほどにお茶目で、それでいながらシャイなところがほほえましい、周囲に愛される人物です。
周囲から「ちかちゃん、ちかちゃん」と呼ばれている(私は恐れ多くてそんな呼び方はとてもできませんが)愛されキャラではありますが、仕事になるとキリッとするところがやはり、中国料理調理長だなあと思います。
そして、撮影がどのように行われるかわからないからと念入りに、大きなプレート一枚にに3種盛ったものと、それぞれを一皿ずつ盛ったものと準備するあたりが、気配りだなあと感激しました。
仕事には厳しいけれど、人には優しい。
そんな宮﨑調理長です。
中国料理 チーフ 池田 大輔
レストラン サンシエロとはまた空気感のちがう中国料理のキッチンで、宮﨑調理長の右腕として指揮を執る池田チーフ。
わからないことがあって尋ねに行くと、いつもきちんと資料を作って教えてくれる仕事のできる男です。
勉強熱心だといううわさは聞いておりましたが、これを見てピンときました!
これ、うつぼの煮こごりだ!
あの日あの時あの場所で、“うつぼ”のさばき方を日本料理 戸澤調理長に教わっていたのは、今日のこの撮影に備えてだったのですね。
この日、どんな料理を作ったのか気になる
気になってしょうがないので、専門誌掲載の料理写真撮影がよその会場だというのにくっついて行きましたらば…
行ってよかった!
地産地消をテーマにした、新しく熊本らしい中国料理が登場しました。
宮﨑調理長:馬肉三様
宮﨑調理長は、馬肉を使った中国料理!
「中華に馬肉って、使われるものですか?」と尋ねたところ、やはり中国では使わないみたいです。
新しい!
香辣馬肉筒(馬肉薄切り香辣醤ソース)
うす~く削いだ馬肉を乾燥させたものを低温の油で揚げ、くるくるっと筒状にした中に、玉ねぎ・ニンニク・干し海老などをオリジナルブレンド調味料で和え、詰めました。
馬肉豆腐巻(馬肉のピリ辛炒め 南関あげ巻き)
馬肉・セロリ・にんじんを鷹の爪ほか香辛料・調味料で炒めたものを、お湯で戻し甘辛く味をつけた南関あげで包み、阿蘇福豊大豆で作った五香黄豆を添えました。
紅棗馬肉筋(馬アキレスと紅棗の煮込み・一文字のぐるぐる添え)
馬スジをやわらか~くなるまで茹で、棗(なつめ)、一文字(ひともじ)、炒めた生姜とともにスープで煮込み、紹興酒・砂糖・醤油などで味つけ。仕上げに強火で照りを出しました。ちょこんと乗せた一文字のぐるぐるがかわいらしく、また、熊本らしい。
池田チーフ:新年式三味天草海鳝肥後蔬菜
池田チーフは「うつぼ」を使った中国料理!
天草産のうつぼと、ひご野菜を使った料理三種を正月仕立てに。
こちらも同様に「中華にうつぼって、使われるものですか?」と尋ねたところ、やはりないらしいです。
新しい!
しかし「うつぼ」って熊本でも珍しいような…と思っていたらなんと、天草では「きだこ」という名で親しまれているそうです。勉強不足でしたー!
凍八代蕃茄海鳝(極限八代塩トマトとうつぼの煮こごり)
一口大にカットしたうつぼと塩トマトをボイルし、煮こごりに。
きらきらしていて、本当に美しかったです。
うつぼに詳しい高知県民も絶賛です。
うおーー煮こごりもこんな感じでつくるとめっちゃ見ため美味しそうだし可愛いな…!ニュースカイさんとこのお料理画像は美味しそうなのももちろんだけど、いつもお勉強になる要素がいっぱいで有り難い。
— 空野むつ (@mutsu_b767) November 10, 2016
海鳝紅白捲蒸熊本翡翠醤(うつぼの紅白巻き 熊本ねぎのソース)
道明寺粉の赤と白をスープで戻し、ボイルしたインゲン豆・パプリカを巻き、それをさらにうつぼでくるっと巻いて蒸しました。翡翠の色鮮やかなソースは熊本ねぎで作りました。
辣子海鳝肥後蔬菜(ひご野菜とうつぼのスパイシー炒め)
6種の唐辛子で香りをつけた油にうつぼの唐揚げを投じ、クミンシードや八角など5種類のスパイスで味つけ。
ひご野菜の蓮根で作った籠に盛りつけ、素揚げした水前寺菜をあしらいました。
これ、飾りがまたすごい!
うつぼの頭と骨を豪快に揚げて、正月飾りに仕立てています。
うつぼに詳しい高知県民も絶賛です。
こんなメルヘンなビジュアルしたウツボ料理初めてみた…うまそう(高知県民並の感想)
— 空野むつ (@mutsu_b767) November 10, 2016
@Toru_Asahi ウツボの唐揚げ大好物なのでここまで大胆な揚げ料理はたまらなく食べてみたいですね…!お花も可愛いですし(笑)
— 空野むつ (@mutsu_b767) November 10, 2016
それぞれに熊本の素材を使った中国料理
すべてのお料理を撮影することはできませんでしたが、どの料理人さんも熊本ならではの食材を使った中国料理を手掛けていらっしゃり、見ているだけでワクワクさせられました!
熊本の中国料理人たちは皆さんとっても仲良し


厨房は料理人の聖域だと思っているため、よほどの用事がない限り、中に入るのは躊躇してしまうのですが…この日は他のホテルのバックヤードに入り、さらにまったく知らない料理人さん達に囲まれて、はじめは大変緊張しておりました。
緊張しながらもきょろきょろとあたりを見回していると、みんなそれぞれの料理を見たり、話したりしており、とても仲がいいんだな~と。
仲のいい人たちを眺めていると、なんとなく自分も楽しくなってきますよね。
撮影が始まると、さらに楽しそうでした!
何が一番楽しそうだったかって、
どの帽子が一番かぶりやすいか、みんなで交換しながら試していたところです。
仲の良い組織、仲の良い団体は発展する。
熊本の中国料理業界は、ますます、美味しく繁栄していくことでしょう。
今回撮影した料理は中国料理専門誌『圓卓』2017年1月・2月号に掲載されます。
ぜひ、ご覧ください。
日本中国料理協会熊本県支部の皆さま、取材のご快諾、本当にありがとうございました!